2018.03.29 Thursday/22:59 |
松の枝を曲げる |
おおやがくです。
今日は松の整形の実験をしました。
不動産には庭がつきもの、日本の庭には松が映えます。
松を攻略することは、日本の不動産を攻略することに繋がります。
しかしながらこの松を整えるのはホント難しいのです。
いままで、頑張ってきたんですが、なかなか小手先ではうまくいきません。
何が悪いか。。。。
例えば、放置された松はこういう状態になります。枝は斜め上方向に広がり普通の木で、もしゃもしゃした感じになります。
こちらも放置された松で、やはり枝が斜め上方向に伸び、幹はまっすぐで、やはりこちらももしゃもしゃとした木です。
さて、何もしないとカッコよくない松。
さて、こいつはカッコいい!
何が違うかというと、枝が斜め上方向ではなく、真横や下にも伸びています。
この松もカッコいい!
こちらも枝が横方向や下方向に伸びて、さらに全体のシルエットを整えてまとまりがあります。
ここまでくると、完璧な松です。
これらのカッコいい松は川崎の民家園にある松です。特にこの写真の建物は、武蔵小杉の陣屋町から移設した有名な建物です。
さて、松をカッコよく仕上げるにはどうするか?というと、
「松が風雪に耐えて変形した感じを演出する」
ことに付きます。
普通に元気よく育つと、幹はシュッとまっすぐになり、枝は斜め上方向に伸び、モッサモッサとしたカッコよくない形状になります。モサモサした枝を剪定する作業ももちろん大切ですが、「枝を曲げる」ことがホント大切なんだと思います。そして、これがまた難しいのです。
初め、枝を曲げる為に、棕櫚縄で引っ張っていたんですが、太い枝は湾曲したような曲りになります。これではカッコ悪いので竹の棒を添わせて多くの個所を結んでいましたが、それでも限界があり、枝を水平面より下に下げることが出来ませんでした。
ネットを探してもなかなか良い方法が無かったのですが、先日図書館に行って園芸関係の本を見てみると、なんと、その方法が書かれていました。
その方法とは、根元を縄で縛り、また、太い枝の場合はのみで割りを入れて縄を巻いて補強してから曲げる。
こうすることで、枝がボキっと行く限界を超えた領域まで曲げることが出来るようなのです。
早速、藁縄を巻いて挑戦してみました。すると、水平面を超えて曲げることに成功したんです。
しかも、根元から綺麗に曲がってくれました。
また、引っ張る力も相当なものなので、らせん杭で固定しました。
細い枝だと幹に固定する方法が良く取られますが、太い枝の場合、幹の方向に斜めに引っ張ると相当なテンションが掛かるので、完全に曲げきれません。すんなりと下方向に引っ張るほうが強い力で引っ張ることが出来るので、今回はらせん杭でアンカーポイントを作り固定していきました。
同時に、春の樹液(松脂)の出やすい時期なので強剪定も行っていきました。樹液が出ると木の断面が守られるので良いようなんです。冬に強剪定すると枯れるリスクがあるようなんです。ただ、作業は地獄。全身べとべとになります。
まだまだ、研究段階ですが、徐々に松の整え方のコツをつかんできました。
こればかりは、経験がものをいう世界です。ほんと、そう思います。
不動産も同じなのでしょう。