2013.04.17 Wednesday/08:42 |
Cannondale Headshock Fatty70 / キャノンデールヘッドショックFatty70のオーバーホール |
category: Cannondale | author: ガク |
おおやがくです。
マウンテンバイクCannondale(キャノンデール)のHeadshock (ヘッドショック)を自分でオーバーホールしています。このオーバーホールに関する情報ですが、相当ニッチなため誰も興味を示さないかな。。。と思っていたらコメントを頂きましたので、今後、真剣にまとめていこうかと思います。英語で書かれているので、重要な部分を日本語で解説しようと思います。
役に立ったと感じましたら是非コメントをお願いします。
下記の情報は全て自己責任でご対応お願いします。当方は一切の責任は負いかねますのでご了承ください。もちろんコメント等は大歓迎です!
今回は、マニュアルをベースに話を進めてゆきます。
まず理解しなければならないのがカートリッジの全体構造と部品名です。
図の上から下記のような部品が並びます
ターニングシャフト
アウターキャップ
アダプターキャップ
アッパーキャップ
ローワーキャップ
コイルスプリング
エアーピストン
■カートリッジを外す
まず、ヘッドショックをフレームから抜くのは簡単で、ハンドルの根元を外し
上からプラスティックハンマーでたたくと、フロントフォークごと外れます。
1. ショック内の全てのエアーを抜いておきます。
2. トップのプラスティックのダイヤルを取り外します。
4. アウターキャップを外します。
5. カートリッジを外します。
カートリッジを外す際には、内側にある白いプラススティックのキャップは外さずに、その外側にある金属製の部分から一体としてはずします。カートリッジを外すために4つのへこみがあるので、そこに特殊工具を噛まして外します。その際、外部のネジ部に傷を付けてはなりません。ここがもっとも重要な工程です。特殊工具の無い私はスパナーをグラインダーで細く削り、この工程を切り抜けました。
これにより、カートリッジが外れます。
下記はかなりバラシてしまったカートリッジ写真ですが。真ん中の白いのは外さずに、
その外側の黒い部分のへこみに工具を合わせ回して抜きとります。
工具はスパナをグランだ―で削って作りました。
■オイル交換/分解手順
2. 8mmの六角レンチでエアーピストンを外します。エアーピストンの内側が8mmの六角形状になっています。
今回は、このエアピストンが割れていました。
一旦接着してから、
上下をネジで挟みました。
ネジの中央に空気の通り抜けるための穴をあけました。
下が透けて見えるでしょ!
3. ロワーキャップを取ります。この際、オイルが出るので受け止めます。
注【このロワーキャップ内のパッキンが劣化し、オイルが漏れやすいです。今回もそうでした。現在、部品は手に入らないので、下記のようにしました。また、下図のようにオイルを2つのパッキンで隔離する構成になっています。このパッキンがネックです。】
今回は、このパッキンが劣化していました。オイルもカラッカラでした。
この右側のパッキンはピストン動作用のパッキンです。
両用パッキン USI 14 22 5 N
メーカーコードFU0116-SO1X1
(内系14mm 外系22mm 厚5mm のピストン用のパッキンです。)
を購入しました。
買ってみて実物と合わせると、
(内系15~16mm 外系22~23mm 厚3mm)
が最適ですが、既製品でそのサイズのパッキンは見つかりません。
購入品は、材質がチョット堅いので、今度やるときはこれを購入してみます。
両用パッキン USH 14 22 5 NOK社製
もしくは、ロッドパッキン IUH 14 22 5 NOK社製
いずれにしても、既製品は厚みが厚いです。
購入品は、厚みがオリジナルは3mmなのに対して、こちらは5mmでしたので、2mmカットしました。写真右側が、購入品で、左側がカットしたもの。
カットの方法は。。。。
2mmの板の上にカッターナイフの刃を載せます。
そして、平らな板の上でパッキンを転がすように切り込んでいきます。
そうすると比較的綺麗にカットすることが出来ます。
断面は綺麗でしょ~。
これをローワーキャップ内にはめ込みます。
さらに上の溝にもオリジナルのパッキンをはめ込みます。
2つのパッキンがオイルを隔離します。
アッパーキャップも緩めるとこんな感じになります。
右側の中央にある部品、これがSHIM(シム)と言われる部品です。
バラスとこんな感じです。
このリングを両側からワッシャーで挟みます。
このリング、上下に穴があいていて、上下のワッシャーで穴が止まっている形になります。
上下動作の際、このワッシャーが歪んでオイルが上の領域や下の領域に移動します。
このワッシャーのことをSHIMと言います。
厚みを変えることで、減衰比を変えることができます。
もとに戻って。。。。
4. ターニングシャフトを一旦閉め込んでから、1/2回転緩め、ストローク動作をして、全てのオイルを抜きとります。
5.カートリッジを伸ばし、下を上にして、先程取り外したローワーキャップの方からオイルを入れます。
標準は5wのオイルです。今回は、専用オイルを使用しました。 |
まずは反対にしてから、、、
オイルを入れます。
6-7. ストロークを繰り返し、エアーを抜きます。
この際、ターニングシャフトをさらに1/2回転緩め、ストロークを繰り返すとエアーが抜けてゆきます。完了したら、ターニングシャフトを1/2回転閉めて元に戻します。
【解説】
解説すると、オイルダンパー部は、2つに分かれていて、この2つの領域は、先程のSHIMを介して繋がっています。上下動作に伴い、このSHIMが変形し、上と下の領域をオイルが移動します。
また、上の領域から下の領域への貫通穴がセンターにあり、この穴をニードルバルブで塞いでいます。このニードルバルブが、ターニングシャフトなのです。
ターニングシャフトを緩めると、上下各領域へオイルが移動しやすくなり、エアーが排出されやすくなります。
8. 念入りに、しばらく放置してさらなるエアーの排出を待ちます。
9. 再度ストロークしてエアーを抜きます。
10. オイルを目いっぱい入れます。
11. ロワーキャップを戻します。その際、ローワーキャップのパッキンが引っ掛からずにスムーズに入る様に、下図のようなキャップを刺してからいれるとの指示です。
注【このキャップもなにか代替え品で工夫します。が、そのまま刺すとパッキンが逝ってしまいますので、必ず保護しながら入れる工夫が必要です!】
今回は、家に落ちていたのでこれを使用しました。
コーキングがんのキャップです。
お金を掛けずに、創意工夫!!
意外とすんなり入りました!
12. ロッドがスムーズに動くか確かめます。ローワーキャップに引っ掛かり等が無いか確認します。何か引っかかる場合は、ローワーキャップのパッキン等を確認します。
13. ロワーキャップを閉めていきます。
Fig16のように、Oリングが近づいてきたら、下部のネジを緩めます。このネジは、オイルを逃がすための放出用のネジ。ロワーキャップを閉め込むと、オイルがにじんできます。
ロワーキャップを閉め込んだら、すぐに、このネジも完全に閉めます。これで、エアーが入らないオイルの密閉空間が完成です。
14. ターニングシャフトを一旦閉め、そこから1/4回転緩めます。
そして、シャフトを動かしてみます。その際、大きくへんなきしみ音がする場合は、エアーが入っているとのこと。その際は、再度やり直し・・・・・多少の音はOKでしょう。
以上で、重要な工程の解説は終わりです。
ここまで、出来ていれば、戻しはできますよね!
マニュアルにはロックタイトの塗布が指示されているので、3種類購入しました。
ロックタイトって強度別に青、赤、紫ってあるんですね。
これで閉め込みます。
そして、完成!
最後にサスペンションにエアーを入れます。
体重に応じて圧力を調整します。
54kgの人で、6kgf/cm2
63kgで、7.5kgf/cm2
68kgで、8kgf/cm2
77kgで、9kgf/cm2
という感じです。
私の圧力は、。。。秘密。。。。
どうですか?
かなり難しいですが、パッキン等の部品を手に入れるのが最大の難関です。
Oーリングやパッキンの既製品はこちらで購入できます。
結構いろいろなサイズがあります。
カテゴリーに Cannondale という項目を作成しました。
そちらでCannnodale関連の記事が一覧できます。
完成写真です。
See You!
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